キライノカケラ
「俺とつきあってほしいんだ」

前の日は一睡もできないほどに緊張して
結局言えた言葉は これだけ・・・・・


同じクラスに花の名前があったときはこれは
もう行くしかないって思った。


手に汗にぎるとはこのことだ。


しかし 花はまた一言も返さない。
足早に通り過ぎようとしたから


慌てて腕をとった。


「俺さ 真剣に言ってんだけど」

重い前髪から ビックリした目が見えた。


「ずっと片思いだったんだ」


花は俺の手を振り切って


「ふざけないで」と小さく呟く。


「ふざけてなんかいないよ」

花は 一瞬のすきを見て俺から離れた。


「真剣に話してるんだけど ちゃんと聞いてもらえない?」

「からかわないでよ」


そう言うと走って 教室に戻って行った。


「マジ?」後ろで女子が驚いた顔をしてみていた。

チッ・・・・・


噂はすぐに 広がるだろうけど……
ま いいや


本当のことだし 堂々としてればいい

だけどこんなに相手にされなくて かなり撃沈していた。
嫌われていたのかな

三年間の片思い・・・・・・
失恋なのか?俺・・・・・・・。
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