キライノカケラ
その日のこと すぐにでも キョンタに
話したかったけど まだこれから
花を学校へ来させることもあったから

いつものように振る舞っていた。


キョンタは当番をさぼる俺に怒っている様子。

申し訳ないなって
思っているけれど 今は 花が大事だったから


風呂から出ると キョンタはソファーで眠っていた。


「風邪ひくぞ」

そばにあったひざかけを体にかけた。


キョンタは恋とかしてるのかな
ふとそんなことを考えた。


俺の大切な家族
キョンタの時 俺が必要だったら
どんな協力もするから


キョンタを泣かせるような男を好きになるなよ

まったく血のつながりのない
親の都合できょうだいとして暮らすことになった
キョンタと俺

よくよく見るといつの間にか
女の子らしくなった気がした。


キョンタのこと 花に説明しておいた方がいいな

きょうだいって言っても
隠しているとよくないかもしれない。

キョンタの寝顔を見ながら
花に話すことを決意した。


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