キライノカケラ
「いってぇ!!!」

振り向こうとした千尋にまた背中を叩いた。

「キョ……おまえな!!!
ビックリするだろ!!!」

千尋がめずらしく激高してるけど
なの 知らないもんね……。

「約束破って……ダラダラ歩いてんじゃないわよ」

「それはそうだけどさ
突然やられたら 普通ビックリするだろ?」

「その後ろ姿見てたら たまらなくなった」


そうたまらなく抱きつきたかった……。

「まったく 心臓に悪いからな
殺されるかと思った」


殺したいくらいだよ・・・・・・。


「もう帰ってきてるよ。心配してたし」

「さっき電話に出た」

「迎えにいってやってたら喜んだんだろうけど」

アタシは約束破られて頭に来てんの!!


「ごめんな。ちょっとあってさ」

「あ そ」


ちょっと何って言うのが当たり前だけど
アタシは聞きたくなかった。


千尋がやっとアタシの世界に帰ってきた。

「い~や ど~でも~」

千尋の背中をもう一回叩いてやった。
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