キライノカケラ
「キョンちゃん 千尋もいつまでも子供で
迷惑かけてない?」

「失礼なことばっかりいうけど 迷惑はないよ」


辛いだけ・・・・


「そう よかった。
千尋てね こんなに笑う子じゃなかったの。
キョンちゃんと出会ってこうやって一緒に生活し始めて
最初は打ち解けるか心配だったんだけど……
まさか本当のきょうだいのように過ごせるなんて
思ってもいなかったから……
キョンちゃんの明るさのおかげよ」


そう言われるとすっごく照れる・・・・・。


「千尋はおかあさんに幸せになってほしいんだって
アタシもそうだけど……だから心配させたくないんだと
思うよ。二人とも一杯苦労してきたから
幸せそうなのは 子供も嬉しいよ」


「ありがとう……」

おかあさんが目頭を押さえた。


「うちらの心配はいらないから パパが
ご迷惑かけると思いますがよろしくお願いします」

アタシはパパの顔を見て頭を下げる。

「いい子に育ってくれて幸せだよ 俺たちは」

パパがアタシの頭と
眠っている千尋の頭を優しく撫ぜてくれた。
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