キライノカケラ
張り裂けそうな想い
パパたちは日曜の昼 仲良く帰って行った。


見送って 流れる空気は
家族ごっこの終わりって感じで
二人の間に冷たい風が吹いていた。

「帰っちゃったね」

いたたまれなくなって声をかけた。

「うん 二人とも幸せそうで安心したよ」

「だね 親孝行な子供たちのおかげだわ」


千尋はアタシの言葉に少し笑った。


「元気……なくない?」

アタシは気づいていた。
いつもの千尋の中に 一瞬だけ考え込む千尋


「え?」

驚いた顔でアタシを見た千尋が

「なことねーよ」

アタシの頭を鷲掴みにして前後に振った。

千尋

アタシはいっつも千尋のこと見てるよ。


花よりずっとずっと千尋を知ってる……


「ならいいけどさ~」
いつものようなアタシたち

ずっとずっとこのままで誰も入って来ないで……

アタシと千尋の世界に……
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