キライノカケラ
「花が明日退院するって」

あっそ 


「よかったね」
気持ち全然こもってないけどね。


「サンキューな……」


「は?何が?」

アタシはびっくりして千尋を見上げる。

「キョンタと一緒にいてさ ホントに救われた」

「何で?」

「ほら ちょうど親帰ってきたときだったからさ
キョンタとじゃれてたら 気が紛れて……
おまえの顔見てたら元気になれたし……
ホント俺にとってキョンタは特別なんだなって……」


恥ずかしそうに頭をかいた。

「いや うまく言えないけどさ
キョンタと家族になれてマジでよかった。
小さいころ 初めてここで暮らし始めて……
おまえがいたから 俺 すっごく毎日楽しかったし…
多分これからも 俺の支えになってくれるって
そう思ってる」

「いきなり何?」

アタシも慌てる。


「そのぶっきらぼーさがたまらないんだ~」

そう言うと千尋はいきなりアタシを
抱きしめた。

うっそ~~~~!!!

アタシは何が起きたのかわからないくらいビックリしてる。
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