キライノカケラ
千尋に

アタシが感じ悪かったって言うんだろうな


やっぱり アタシだって千尋に悪く思われたくはないから


姑息な笑顔で

「花ちゃん 気を付けてね」


精一杯 いい人ぶって必死に笑った。



花がホッとしたような表情に変わったのがわかった。


「ありがとう」


その笑顔に胸が痛んだ。


「いつも千尋から キョ…鈴木さんの話聞いてるの。
なんだかうらやましくて……私は一人っ子で
家でも親が働いてて 小さいころから一人だったから……
千尋は鈴木さんのこと とっても大切に想ってて……
学校でも見かける鈴木さんが 明るくて眩しくて……
私の持ってないもの たくさん持ってて……憧れてたの。」


思いもよらない言葉だったけど


アンタは千尋を持ってるじゃん


素直には受け止められなかった。
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