幼馴染の甘くない愛情Ⅰ
「瑠奈?何してんだよそんなとこで」
「わぁ!って、星夜か」
玄関の前でキョロキョロしていたあたし。
いきなり背後から声をかけてきたのは
兄である柊星夜(ヒイラギセイヤ)。
「なんだよその反応…つか、玄関の前突っ立ってんなよ邪魔」
実の妹に邪魔って…
まぁいいけどさ。
「そんな警戒しなくても大雅はいねーよ」
「星夜っ!!!」
「…なんだよ」
「朝っぱらから不吉な名前出さないでよ!」
城崎大雅(キザキタイガ)。
名前を出すのも忌々しい。
あたしの人生と気持ちを
とことん弄んできた男。