幼馴染の甘くない愛情Ⅰ
「とりあえずちょっとの間瑠奈、返してもらうから」
いきなり立ち上がった大雅に
両腕を掴まれてあたしも立ち上がる。
“返してもらうから”
なんて、普通は借りるからとか
そう言う場面じゃないの?
なんてボーっとする頭で考えながら
あたしは大雅に手を引かれて
屋上を後にした。
「瑠奈ぁ!教室で待ってるねぇ!」
なんて明菜の声がしたけど
あたしはそれに
返事をしたのかも曖昧。
それくらいあたしの
頭は混乱してたんだと思う。