幼馴染の甘くない愛情Ⅰ
「だって、信じられない。大雅はいつもあたしを下僕って言って玩具みたいに扱ってたじゃない」
「……」
「それなのにいきなり…」
「いきなりじゃねぇよ」
大雅の低い声が静かに響く。
声のトーンで怒っているのが分かる。
「言っただろ、耐えらんねぇって」
「…」
「お前が俺以外のやつといんの見て焦ったんだよ」
「…え」
「ずっと好きだった」
思わず顔を上げると
真っ直ぐにあたしを見ていた
大雅と視線が交わった。
「…っ」
「俺は瑠奈がいねぇとか無理だから」
「たい…が」
「どうしたら信じる?」
視界が滲んで思わずまた俯く。
涙を見られたくないなんて
今更な話だけど。
声を押し殺して泣いてたら
また大雅の香りに包まれた。