溺愛ヤンキーくん
――――――――……
「うーーん。お腹すいたな…」
あたしはお腹がすいたから軽食をする事にした。
出店でいっかぁ…
「いらっしゃい!お、姉ちゃん美人だねぇ!たこ焼き1個まけるよ!」
出店には20代前半くらいの笑顔を絶やさないお兄さんがいた。
「いやいや。ありがとうございます。じゃあたこ焼き2つと焼きそば4個ください」
「はいよ!ちょっとお待ち!」
前のあたしだったら殴ってるところだけど笑顔で受け答えした。
うん。成長したよね。
これも皇雅のおかげ、かな。
「はい!おまち!2200円ね!丁度!」
「ありがとうございます。」
「またおいでねー!」
あたしは皇雅を探しに人混みの中歩いた。
あれ?
皇雅がいない……
「姉ちゃん」
ガシッ!
突然男に腕を掴まれた。
あたしは反射で殴りかかる。
それを受け止めた男。
こいつ只者じゃない。
「あんた誰?」
「俺?俺は滝澤新―タキザワ アラタ―」
滝澤新って名乗った男はにかっと笑った。
なんかこいつ爽やか少年って感じ、だな。
短めのウルフカットにパッチリした目元。
皇雅より少し低めの、形は綺麗な鼻。
ぷっくりした形のいい唇。
かわかっこいいって新のことをいうんじゃない?
「滝澤新?」
「そう。お前の名前…えーーと…そうだ!一之瀬優だろ!蒼色の髪と金の瞳がそうだ!」
「…何で知ってるの」
「だって個人全国No.1だよ?あ、今は炎龍の姫か。とりあえず有名に決まってんじゃん!」
「は?…あんた族かなんか入ってる?」
「おーー当たり!俺一応鬼神って族の総長なんだ!」
「そう。おめでと」
なんなのこいつ。
にしても鬼神、ねぇ…
記憶が正しければ確か…
九州No.1だったっけな…
「ちょっ!ちょっと待てよ!」
「なに?」
「何?じゃなくて!もっと何か言葉あるでしょ!?」
「は?」
「だからっ「優っ !?何してんだ!?探したんだぞっ!?」
「あ、ごめんね…って皇雅下。」
「あ?…って誰だコイツ」
皇雅によって潰された新。
顔を砂浜に打ち付けて、息もできないのか
「ぐへぇ…」って変な声だしてる。
そんなに強く皇雅が踏んだんだね。
てかこのままだと危ないかも。
「皇雅降りなよ…」
「お、おう。さっきも聞いたけどてか誰こいつ」
「鬼神って族の総長さんの滝川新だって」
「鬼神……滝川…新…んーー。どっかで聞いた事ある…」
「多分九州No.1の族だと思うんだけど」
「んー…あ!思い出した!そうだ、九州No.1の族だ!」
「うっ…秋川サンに知ってもらっていて嬉しいっす…」
「いやいやお前達も結構有名だから」
確かに。
「てかなんで九州No.1の総長がここにいるわけ?」
「え、だってサーフィンの大会があるからだよ!さっきやってたし!」
「は?まさかお前のサーフボード黒い?」
「ん?うん」