溺愛ヤンキーくん
ホテルから水着とか持って出て、何分か歩いて来た沖縄の海。
あんなに楽しく蕾稚達とふざけあっていた優が急に止まりだした。
しかも一点だけをずっとみて。
優?
どうしたんだ?
なんか……あったのか?
そんな事を他の奴らも思ったみたいで。
翼「優ちゃん、大丈夫?」
優「……………」
翼の呼びかけに反応しない優をみて、何を思ったか、龍都が優の肩を激しく左右に揺らした。
龍都「優ちゃ~ん!起きて~!」
それでも一点だけを見つめる優。
何分か優を揺らし続けたら、
優「………んな………げて……」
「ん?どーした優?」
優「皆逃げて!!!!早く!!!!」
は?
どういう事だよ。
「おい。どうした優。何があったのか説明しろ。」
優「あいつが………あいつらがっ……」
あいつら?
誰だよそいつら。
優「……あたしの…両親を殺した……奴らだっ!」
「は?嘘だろ?なんでいるんだよ。」
優「知らない……もしかしたら沖縄に来てるって知ってわざわざ来たのかも……」
翼「じゃあさ、逃げろってゆーのは俺らがホテルに帰って優ちゃんはここに残るって事だよね?」
優「……ああ。」
翼「……で、一人残った優ちゃんは何をするつもりなのかな?一人で戦う気?」
優「……!?…なんで……いいじゃねぇかよ」
「よくねーよ!」
優「お…うが…?」
さっきから話を聞いてりゃ
俺らに帰れだぁ、一人で戦うだぁ?
ふざけんな。
「あのなぁ!俺らはだてに何十年も全国No.1やってきてる訳じゃねぇんだよ!少しは俺らを頼れ!」
優「でもっ!下手したら死ぬかもしれないだろっ!」
「死なねぇよ!死ぬのが怖かったらお前になんか構ってねぇし、それに……」
優「…それに?」
「お前の傷付くところを見たくねぇんだよっ……」
優「皇雅……」