毒舌に惑わされて
頼りになる年下
1週間後の夜、私はまた『fantasy』に来ていた。


「莉乃ちゃん、その後聖也とはどう?」


「は? 何を言ってるの? 何もないし、大体マスターが葉月のところに運んでくれたら良かったのに」


「だってさ、俺が連れていこうとしたら、イケメンの聖也の家に行くーって、莉乃ちゃんが聖也にしがみついて離さなかったんだよ」


「ええっ? 私が? 嘘でしょ?」


私がしがみついたなんて信じられない。思わず立ち上がって呆然とする。


「おっ、噂をするとだ。いらっしゃーい」


「えっ? 何で…」


『fantasy』に二人の男性が入ってきた。そのうちの一人は聖也だった。もう二度と会わないと思ったのに、それに聖也はあまりここに来ないと言ってたのに……。

突然の再会に私は固まった。


「なんだ、来てたんだ。ほんと暇なんだな。寂しいヤツ」


「な、なによ、その言い方。聖也こそ寂しい…」


途中まで言って、聖也の横に立つ男性を見た。聖也も寂しいヤツと言おうとしたけど、聖也は一人ではなかったんだ。
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