毒舌に惑わされて
「そっちが終わったら、こっちに来いよ」


はい? 何ですか、その言い方…。

私をホステスか何かと勘違いしているのではないでしょうか?

聖也は返す言葉を探す私に鋭い視線を向けて、更にこう言い放った。


「サッサと終わらせて来いよ」


何を終わらせろと言うのだろう。


「クスッ。聖也ったら、子供っぽい嫉妬はやめなさいよ。莉乃が困ってるわよ」


葉月が楽しそうに笑う。聖也が嫉妬? 全くもって意味不明だ。


「そんなんじゃない。とにかく莉乃、分かったな? まず早くあっちに行けよ」


片手で私を追い払う。呼び止めたくせに、何とも失礼な態度だ。

私は何も答えないで、野村くんの待つテーブルに行った。


私たちのテーブルにはマスター特製のミックスピザとスティック野菜、ジンライム、カンパリオレンジが置かれた。

軽く乾杯をして、まずは空腹を満たす。


「美味しいですね」


野村くんが満面な笑顔でピザをかじって、チーズを伸ばす。私も同じようにかじる。
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