毒舌に惑わされて
でも、発覚したことが原因で相手は離婚して、彼女と不倫相手は再婚することになったらしい。彼女としては略奪に成功したわけだ。


「ほんと、惨めですよ」


元気をなくす野村くんの肩を叩いた。


「大丈夫だよ!野村くんはまだ若いんだから、これからまだまだ恋愛出来るよ!」


「プッ!ハハッ!」


ん? 後ろからなぜ笑い声が?

振り向くと面白そうに笑う聖也がいつの間にか後ろにいた。


「ちょっと!何でそんなとこにいるのよ? で、何で笑うの?」


カウンターに目を向けると葉月しか座ってないことに気付く。


「マスターに頼まれて、あっちのテーブルを片付けてた。そしたら、莉乃がおばさんみたいなことを言うからうけた」


よく見ると、聖也は空いたグラスと皿の乗せたトレイを持っていた。
< 52 / 172 >

この作品をシェア

pagetop