毒舌に惑わされて
若くないのは自覚しているけど、人に言われると胸に刺さる。やっぱり顔だけは洗うか。
「おい、何で這っているんだ?」
「洗面所に行くのよ」
「歩けないのか?」
「うん」
歩けないどころか力が入らなくて、立てない。
ふわっ…
また体が浮く。
今日、何回目だろう。
聖也に洗面所まで運んでもらい、何とかメイクを落とす。顔を洗ったら、さっきよりも頭がスッキリした。
力も入るようになった。
「また抱っこでベッドまで運ぼうか?」
「ううん、大丈夫。もう歩けるよ」
「そうか、俺の腰が助かるよ。明日、腰痛で動けないかもしれないけどな」
「ひどっ!そんな重くないから」
わざとらしく腰をさする聖也を睨む。
「重くないと思ってたの? まさかの自覚なし?」
「そ、そんなに重かった? 最近測ってないけど増えたかな?」
洗面所の端に置いてある体重計に目を向ける。聖也も私の視線の先を辿って、体重計を見る。
「おい、何で這っているんだ?」
「洗面所に行くのよ」
「歩けないのか?」
「うん」
歩けないどころか力が入らなくて、立てない。
ふわっ…
また体が浮く。
今日、何回目だろう。
聖也に洗面所まで運んでもらい、何とかメイクを落とす。顔を洗ったら、さっきよりも頭がスッキリした。
力も入るようになった。
「また抱っこでベッドまで運ぼうか?」
「ううん、大丈夫。もう歩けるよ」
「そうか、俺の腰が助かるよ。明日、腰痛で動けないかもしれないけどな」
「ひどっ!そんな重くないから」
わざとらしく腰をさする聖也を睨む。
「重くないと思ってたの? まさかの自覚なし?」
「そ、そんなに重かった? 最近測ってないけど増えたかな?」
洗面所の端に置いてある体重計に目を向ける。聖也も私の視線の先を辿って、体重計を見る。