毒舌に惑わされて
「おっ、いいところにあるじゃん!測ってみろよ。しっかりと見てやるから」


「イヤよ!あとで1人で測るからいい」


聖也が素早く私の前に置いた体重計から、逃げるように洗面所を出た。


「アハハッ!ウケる!おもしれー」


聖也の笑い声が洗面所で響いていた。大声で笑うなんて、どこまでも失礼なヤツだ。

私はそんな聖也を放っておいて、着替えようとまずスカートを脱いだ。


「大胆だね」


「へっ?」


ドアの方から聞こえた声に対して、間抜けな声を発してしまった。洗面所にいるはずの聖也がすぐ近くで立っていた。


「ぎゃあ!」


見られていることに気付いた私は、今脱いだばかりのスカートをもう一度履こうと手にかける。

ものすごく恥ずかしい格好だ。


「今さら…隠す必要ないだろ?」


「えっ?」


スカートを膝の上まで持って行ったところで私の動きは止まった。

これこそ情けない格好だ。


「パンツしか履いてない姿は見たことあるし」


「えっ?ああっ!」
< 61 / 172 >

この作品をシェア

pagetop