毒舌に惑わされて
平気な振りをして、聖也の横に体を滑り込ませた。


「あたしに触れないでね」


「約束は出来ない」


は?なんて危険な男なの…危ない、危ない。離れないといけない。私はベッドから落ちないギリギリのとこまで下がった。


「おい、そんなとこ行ったら落ちるぞ」


聖也が腕を伸ばす。


「やめて。…ウワッ!」


腕を払いのけたら、落ちた。


「うっ…、痛い…」


「バカだな…」


聖也の腕によって、引き上げられて、大人しく隣に横になった。触れないようになんとか離れたが。


「おやすみ」


聖也は私に背中を向けて、早々と眠る体勢に入った。一分も経たないうちに寝息が聞こえてきた。

素晴らしい瞬間技だ。それほど眠かったのか。


「ふわー」


聞こえてくる規則正しい寝息が私までも眠りを誘う。瞼が重たくなってくる。

少し酔いは冷めてもまだ体にはアルコールが詰まっているから、よく眠れそうだ。


モミモミ…


「んー、あ…」


えっ?


胸を揉まれている?


ん?


さわさわ…モミモミ…
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