毒舌に惑わされて
聖也がいなくなって、広くなったベッドで転がる。大の字になって寝れるから気持ちいいはずなのに、どこか寂しい。

人肌が恋しいのかしら。たまに、とてつもない寂しさに襲われることがある。

まさに今がその時だけど、聖也の温もりが残る掛け布団にくるまって、もう一度寝ることにする。


うとうと…

眠りにつけるとき、スマホがメールの着信を知らせる。こんな早くから誰だろう?

目を細めて、表示を確認すると、大倉くんだった。

あ……返事まだしてない。でも、ゆっくりでいいって言ってたし、もう少し考えさせてもらおう。

ハッ!

じゃなくて、メール確認しないと!朝早いメールは急用かもしれない。


『おはようございます!朝早くにすみません!今日、暇だったら、デートしませんか?突然ですみません。』


教師らしい礼儀正しいメールだ。

今日の私は何の予定もない。さっきまで聖也と寝てたけど、何をしたわけでもない。勝手に触られて、少し感じてしまったけど、そんなことは気にしないでおこう。
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