毒舌に惑わされて
森の中にある美術館で落ち着いていて、大人デートにピッタリだと思った。

中に入ると受付け付近に5、6人の男性が固まっていた。


「おー、大倉じゃん!久しぶり!何だよ、女連れかよー」


「おお!ほんとだ、祥司だ!」


みんなが大倉くんを見て騒ぎ出す。みんな同じくらいの年齢に見えるから同級生かな?


「何でみんないるんだよ」


大倉くんは嫌そうな顔をする。


「祥司、来てくれてありがとう!」


「和樹、大盛況じゃん。こんなに集まって」


「こいつら、単なる冷やかしだよ。お前ら、もう帰れよ」


和樹とかいう人が、この美術展の主催者なのかな?


「えー。まだ、祥司の彼女、紹介されてないし。早く紹介してよ」


「はあ?やだね。早く帰れよ」


大倉くんは追い払うように片手を振る。


「あれ?みんなお揃いで…」


聞いたことある声が入り口から聞こえた。


「わー、佐久間だ!」


「おお!聖也、お前、生きてたか?」


またもやみんなが騒ぎ出す。
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