毒舌に惑わされて
「莉乃、今度の休み、うちにおいでよ。バーベキューしようと思っているのよ。聖也も呼ぶからさー。あの子、最近暇だから呼んだらいつでも来るのよ。フフッ」


「聖也も?」


「あら?莉乃ったら、うちの聖也に何か不満あるの?」


しまった……ついあの聖也とまた会うのかと思ったら、嫌そうな声が出てしまった。

なんだかんだ言っても弟を溺愛している葉月を怒らせるとまずい。


「んー、別に不満なんてないけど、ちょっと生意気かなと思うのよね」


「確かに生意気なんだけど、結構優しいのよ。ねえ、莉乃ー。本気で聖也のこと、どう?」


「どうって、何が?」


「莉乃、イケメン好きでしょ?顔は莉乃のタイプじゃない?」


さすが親友。私のタイプを熟知している。


「あたし、莉乃にだったら、聖也を任せてもいいと思うのよ?」


かわいい弟に近寄る女をいつもチェックして、気に入らないと別れさせることもあったらしい。
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