フィクション

「僕達って容姿は普通。まぁ、ヒトくんは運動得意だけど、文武両道ではないでしょ？僕だって、実験とかは好きだけど、運動は苦手だし。いくら、僕らの姿が読者の方々に見えないからって、嘘はダメだよ。」

「ちぇっ！良いじゃん。これは作り話。フィクションだろ？だったら俺らの好きなようにしたって良いじゃんか。」

ちょっと、拗ねたように仁はそっぽを向いた。
それでも、恵は仁を真っ直ぐに見て、子どもに諭すように言い聞かせようとしたその時、

「確かに、この世界はフィクション。作り物の世界だけど「うわあぁぁぁぁあ！！！？？？」」

「「！！？」」

どこからか男子生徒の叫び声が廊下全体に聞こえるくらいに響いた。