- ki nu gi nu -
AM4:58


筋肉独特の硬い感触を頭の下に感じながら


遮光カーテンの間から侵入する光を眺める


この光景を見るのも、もう何度めだろうか


朝日は希望の象徴とされるけれど、それは


きっとしあわせなひとびとの勝手な考えだ


私にとってそれは憂鬱以外の何物でもない


例えば目の前に投げ出された腕の持ち主は


あと1時間も経てばここから去って行って


何もなかったかの様な日常に戻るだけだ


彼が決まって燻らす紫煙すら跡形もなく


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