時猫
「今日は星が綺麗ですね」
「…うん。あ、一番星」
椿は笑顔を見せながら、星空を見あげて指をさした。
「そうですね」
はしゃぐ椿を見ながら、沖田はほっとしたように息をつく。
高い建物が遮らない夜空。
現代ではあまり見る事が出来なかったから、椿にとっては新鮮だった。
椿が手を降ろした瞬間、二人の手が重なった。
「あっ。ごめん」
急いで手を引っ込める。
しかしその手は、沖田の手によって捕まえられた。
冷えてる椿の手に対し、沖田のはぽかぽかと温かい。