時猫
椿と沖田が雪だるまを作った、数日後。
屯所の前は、まだ真っ白な雪が積もっている。
「新選組に、入隊させて下さい!」
突然の訪問者に、近藤と土方は顔を見合わせた。
「今は、進入隊士の募集はかけてない。それにお前、知らねえのか?」
「ここは、女人禁制です」
…まさかの、女だったのだ。
「柏原伊吹 (かしわら いぶき) です。
どうぞ、宜しくお願いします」
「おい。入隊許可はまだしてねぇぞ」
「剣術には自信あります。それにここには、女隊士がいるじゃないですか!」
ギクッと、二人は顔を怖ばらせる。