時猫



「やらない」

「……頼む」


もう駄目か、と土方が諦めかけた時、思わぬ救世主が現れた。

カラッと襖が開いて、沖田がやってくる。


「椿さん、やってあげて下さいよ」

「はあ?沖田さんまでそれ言う?」

「椿さんにしか頼めないんです」

「…俺と同じ台詞じゃねえか」



土方は眉間にしわを寄せるが、沖田は全く無視。


「今から、お団子買ってきます」

「えっ?じゃあ私も…」

「椿さんは、試合をして待ってて下さい。面白そうだし本当は私も見たいのですが…。これしか方法はないようなので」

「…もし試合で勝ったら、お団子くれる?」

「はい。勝ったら、ですよ」


沖田はにやりと笑う。




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