時猫
「分かったわ。その人…。柏原伊吹だっけ?私が相手する」
そう、椿はこの間沖田と一緒に食べた団子が、凄く気に入ったのだ。
「…団子の為か?」
土方の質問に、もっともだというように椿は頷く。
「当たり前でしょ。沖田さんは、お団子買ってきて。私は試合を終わらせるから。行くわよ、土方さん」
的確に指示を出し、椿はパッと立ち上がった。
「じゃあ買ってきますねー」
沖田も部屋から出て行き、その後ろを土方と椿が追う。
やがて曲がり角で別れ、二人だけとなった。
「まあ、お前なら勝てるだろう」
「当たり前」
土方の言う事に、表情一つ変えない椿。
…面倒くさい。
でも、さっさと試合して団子を食べよう。
そんな事を考えていると、道場に着いた。