時猫




「あ、そっか。もしかして他にも人が…」


一人で勝手に解釈し、椿は辺りを見回す。

しかし人なんておらず…。


「あの。どうしますか?知りたいですか?」


猫は、話し続けた。

椿は目を丸くしながらも、必死で冷静になろうとする。


「え、えぇっと…。
あなたは喋れる猫さん?」


何とも妙な質問になってしまった。


「はい。私は、喋れる猫です。
名前は、“時猫”といいます」

「へ、へえぇ…」


微妙な返事を返す椿はお構いなしに、時猫は話し続ける。


「単刀直入に言いますが、私は、時を操る事が出来ます」

「操る…?」


椿は少し考えるが、ハッと思い当たる。



< 179 / 214 >

この作品をシェア

pagetop