時猫
「あ、そっか。もしかして他にも人が…」
一人で勝手に解釈し、椿は辺りを見回す。
しかし人なんておらず…。
「あの。どうしますか?知りたいですか?」
猫は、話し続けた。
椿は目を丸くしながらも、必死で冷静になろうとする。
「え、えぇっと…。
あなたは喋れる猫さん?」
何とも妙な質問になってしまった。
「はい。私は、喋れる猫です。
名前は、“時猫”といいます」
「へ、へえぇ…」
微妙な返事を返す椿はお構いなしに、時猫は話し続ける。
「単刀直入に言いますが、私は、時を操る事が出来ます」
「操る…?」
椿は少し考えるが、ハッと思い当たる。