時猫
「まさか、あなたが私をタイムスリップさせた?」
「はい、そうです。私は、時、記憶…そして」
「…そして?」
時猫は話を続けた。
「…人や動物の寿命。この三つを、私が支配しています」
椿は納得しかける。
…だが、ある矛盾点に気が付いた。
「待って。でも私、翔太に頼んで…」
「よく考えて下さい。普通の人間が時空移動させるなんて、出来っこありませんよ。だから私は、真実を知りたいか、知りたくないかを聞いてるんです」
そこまで言われ、椿は、どうして翔太が自分をタイムスリップさせる事が出来たのだろう、あんな所にいたのだろう…と思い当たる。
「全部、あなたが知ってるの?」
「そうです。どうしますか」