時猫
懸
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『ねぇ。伊吹姉ちゃんが死んじゃったなんて、本当なの?』
『…あぁ』
『もう会えないの?』
『あぁ』
『兄ちゃん…。嫌だよ』
『仕方ないんだ。今の時代。
…分かったか、庄吉』
今年で十七の庄助と、十四の庄吉。
『俺が、あいつとあいつの親の敵をとる』
『…僕も。許せないよ、新選組が』
翌年、六月五日。
この二人は、新選組が池田屋へ踏み込んだと、噂で聞いた。
『──何だお前らは!関係ないやつは早く出ろ!死にてぇのか!』
中にいた人達に言われても、聞く耳を持たず。
ただ、新選組を斬る事だけ考えて。