時猫




そうはっきり言うと、猫は頷いて、俺に向き合った。


「…一番いい方法は、新選組の結束を壊す事。ですよね?」

「あぁ」

「なら、いい方法があります」


すると猫は、話し始めた。


「木島茜を未来に連れていく。そして、何年か経ったらまたこの時代へ戻し、新選組に出会わせる。もし、木島茜が“未来から来た”なんて言えば、新選組は…どうすると思いますか?」

「間違いなく斬るだろう」

「木島茜を、仲間に斬らせる。
これが私の考えです」


俺は一つ、矛盾点に気が付いた。


「…だが、新選組は木島茜を知ってるんじゃないか。それにそれだと、新選組の結束は…」

「最初に言いました。私は、時、記憶、寿命を操作出来ます」


…そうか。
なら、記憶を消せるという事か…


なるほど、そういう事か。




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