時猫




「じゃあ、どうするか?近藤さん」


その土方の問いに、皆近藤に視線を集中させる。


「いいんではないか?ここに住んでも」

「…おい。正気か?」


土方が眉間にしわを寄せる。

原田や藤堂、永倉は“よっしゃあ!”と大喜びした。

沖田は、「本気ですか…」といった表情をしている。


残る一人の男…。

ずっと無口で無表情な人は、つまらなさそうにその光景を眺めていた。


「まあ確かに、椿さんが間者という可能性もある。未来から来た、というのも本当だとは考えられない」


近藤は、「でも」と話を続ける。


「行き場のない…。しかも女子を、俺は放ってはおけない」

「……そうか」


うーん…と皆が考えている側で、椿は一人焦る。




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