時猫
「あ、あのいいわよ?別に困ってないし…」
「椿さん。どっちにしても、あなたをここから出すわけにはいきませんよ?」
沖田の言葉に、椿は何で?といった顔をする。
「もしも長州の間者だったら、って事を考えると…」
意味、分かりますね?
というような沖田の表情に、椿はやっと理解した。
…まだ、信用されているわけではない。
本当の間者だったら、上手くごまかして屯所を抜け出し、新撰組の情報を知らせるであろう。
「では、如月」
「は、はい?」
「つまりはこういう事だ。その、新選組の中にいる長州の間者を見つけるまで…。お前は軟禁。常に見張りをつける」
そう、なるに決まってる。
「一歩も部屋から出てはいけねえ。飯は用意する。ただしな、もしもそれまでに怪しい行動が見られたら…」
自然と、椿の目線が刀にいった。
土方の説明で、椿もしっかり理解する。