時猫




「斎藤さん?椿さんの監視は、私がやるのでいいですよ」

「巡察はどうした」

「やだなぁ、今日は私非番です。非番の人達が、交代で監視をする事になったんですよ」

「…そうか。ならば頼んだ」


一つ足音が遠ざかる代わりに、誰かが座る気配がする。


「沖田さん…よね?」

「正解。よく分かりましたね」


クスクスと、楽しそうに笑っている。


「暇だわ…」

「そりゃ、軟禁ですからね。解かれるまでの辛抱です」

「ねえ、何か話してくれない?」

「何か…って言われてもなぁ…」


沖田は、うーん…と考えると、「そうだ」と思いついた。


「しりとりでもしましょうか」

「ぷっ…。しりとりなんて、小学生以来の気がする」

「小学生?」


椿は、はっとした。

ここは幕末。



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