時猫
「如月。防具はつけるか?」
「やるなんて一言も言ってないでしょ!」
「もうやると決まったんだ。防具はつけるか、つけないか。どっちだ?」
きつく睨まれ、もう抵抗しても無駄だと思った。
「はぁ…。しょうがないわね、防具はいらない」
「………随分と余裕だな」
「何ですって…⁉」
椿が防具をつけない理由は、相手が男だから。
つまり、力では適わないだろうから、せめて身軽さだけでも…という椿の考えだ。
「もー始めますよー?」
沖田の声を聞いた椿と土方は、竹刀を持って向き合う。
「両者構えて…。──始めっ」
──パアンッ!
「な…っ」
土方は呆然と固まる。