時猫
まさか、女に負けるとは思わなかったからだ。
「面あり!しょ、勝者、如月椿!」
沖田の声が響き、二人は頭を下げ、後ろに下がった。
ふう…と、椿は息をつく。
とにかく早く終わらせたかったのだ。
だから間合いも取らず、いきなり打ち込んでやった。
「…もういいでしょ?はい、試合はおしまい」
「おい。待て如月」
「は?私の勝ちよ、他に何の用?」
「総司ともやれ」
沖田は、待ってましたと言わんばかりに、勢いよく立ち上がる。
(そういえば、約束してたんだった…)
今度は、椿と沖田が向かい合った。