指輪の約束
赤を基調とした女の子らしい部屋のベッドにすとんと座るとまおみはため息をついた。

まおみはいわばもらわれっこなのだ。
幼い時に両親を交通事故でなくし、身寄りがここの家、柿崎家の母だけだったのだ。
しぶしぶという感じで引き取ってくれて、旦那さんは外交官だからお金もあるからそういう事でしぶしぶではなく、母は自分の息子である奈美を心底可愛がってるから奈美に悪い影響がでるのではないかと心配なのだ。
それがここのお手伝いさんにも伝わるのかまおみを気にする人はいなかった。
でも部屋ももらってご飯も高校も連れて行ってくれる。感謝しなきゃ。とは思うのだ。
でも、最近むなしくて仕方がない。
それというのも最近奈美が自分に優しいということもある。

奈美は全国模試でもTOP10に入るくらいの頭の良い人で高校はまおみに合わせて同じ高校に入ってくれた。
陰ながら見守ってくれてる。

でも、家の人がいる前ではほとんど口もきかない。
それがなんでなのかはまおみにはわからなかったが、奈美が口をきかないなら、と自分から話しかけることはしなかった。

でも自分は奈美に惹かれてた。
初めてあったのは子供の時だったが奈美は眼鏡をかけていたが美少年だった。見とれてしまったのを覚えている。
だから話が出来たり、手をつないだりはとても嬉しい。
それと一緒にむなしさが胸に広がるのだ。

ふぅ。とため息をつくと部屋のドアがノックされ、夕飯のお支度が出来ております。とお手伝いさんの声が聞こえた。

はい。と返事をして慌てて制服を着換えた。
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