花言葉が紡ぐ恋~大人の恋愛編~
「何するんですか!いきなり、恋人でもないのにあんな事」
顔を赤くして怒鳴る私に対して、何で怒られてるか分からない、と言うような様子の三島さん。
平然とした顔にさらに怒りがつのる。
「それに何処に行こうとしてるんですか、降ろして下さい」
「駄目だ、逃がさない」
間髪入れずに張りのあるバリトンで返された言葉に眉間にシワを寄せる。
「逃がさないってどういう事ですか。それに貰っていくっていうのは?」
「言葉通りだ。着いたぞ」
停まった車に窓の外を見てみれば、そこはホテル街で、気にした風もなく車を降りる三島さんにまた声を上げた。
「着いたってここホテル街じゃないですか!!」
「そうだが?」
「そうだ、じゃありませんよ。ここに何の用があるっていうんですか」
車の中から叫ぶ私に三島さんは左手を車の縁にかけて覗きこんだ。
「たっぷり愛して俺に酔わしてやるよ」
方頬だけ上げた微笑みの男臭さに息をのんだ。