花言葉が紡ぐ恋~大人の恋愛編~
「はぁ……何を考えてた。俺の事だけ考えてろ」
私の乱れた髪を撫でながら気だるげに言った彼の瞳には、あの時の暗い色はない。
その事に少し不安になる。
「隠さないで」
「あ?」
訝しげに聞き返す彼の瞳に手を伸ばした。
「私には強がらないで。恐いなら恐いって口にして」
優しく子供に言い聞かせるように言えば、彼は目を見開いて固まった。
「……どうして気付いた」
「どうしてかな。
多分私が貴方の事を好きだからだと思う」
そう、貴方の試合を見て、私は貴方に惹かれ始めていた。
「俺が好き?」
「うん。今は愛しい…かな」
この不安に怯える人を支えたい。守りたい。
微笑んで見詰める私に、三島さんは静かに泣き出した。