新撰組~幕末に名をはせる者~





『私が妹の色々な世話をするたび注文は増えていった…』




「そう、か」



土方は納得したようだ。





「逆に余計にコキ使われるようになるばかりで、自分の事には構ってもらえなくなった。ということだな?」





渚は返事の代わりに頷く。




『その頃から荒れた。さっき言ったように構ってほしかったからだろうな。家では自分の部屋から出ずに引きこもっていた』




『いつからか、家出して家にすら帰らなくなった。コンビニへ行ったり、時には知らない奴と体を重ね金をもらった。そうしないと生きていけなかった』




「は!?」




俺はコイツが俺の知らない奴と何回も体を重ねていたかと思うと苛立ちがおさまりそうになかった。いや、知っている奴だとしてもそれはそれで嫌だ。まず、未来から来た時点で誰かは知らないな。



『…私は汚い。いくらやむを得なかったとしても。触れるな。土方まで汚れてしまう』





その瞬間土方は渚を抱きしめていた。








さっきよりずっとずっと強く。








渚が存在することを確かめるように。


















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