新撰組~幕末に名をはせる者~
あれから一週間、晴れて私と土方は〝恋人〟となった。
だが…
「おーい、茶持ってこい茶!!!!」
『私はてめぇの女中じゃねぇよ』
「茶」
何を言っても茶しか言わない…
はぁ…しょうがねぇから持ってきてやるよ。
台所へ向かうまでに歩いていると後ろから気配がした。
後ろを振り返ると…
「わぁっ!?なんや、見つかってもうたわ!!どないしましょかっ」
とりあえず、怪しい者かもしれないから首をつかんで部屋まで引き返した。
「なんや、首痛いやないの!離してくれやっ」
ワーワーわめいていたが気にしない。
『土方。ストーカー捕まえた』
「すとー、かー?なんやそりゃぁ。この姉ちゃんおもろいな!土方さん」
「あぁ、そいつはほかっといてもいい。監察方だからな」
土方の言葉に一瞬驚いたような顔をしたが話し始めた。
「そやっ、土方さんに頼まれてあたさんの監察しとったんや。初日から見とったが気付かんかったかいのぉ?」
『私が泣いていた時か?』
「気づいとったんかいな!!あかんがな!!」
「山崎、うるさい。それより、もうこいつは見張らなくていい。自己紹介しろ」
「わいは山崎烝。監察方やっとる。よろしゅう」
『よろしく~』