もしも、Ver.1
・・・そんなに怒らなくても(笑)
寝ちゃってるわけだし。
しょうがないじゃない?
と、思ってたんだけど。
男の子はそっと、また女の子を元の姿勢に戻しかけて・・・
「・・・・・・」
グイッと、自分の方に引き寄せた。
今度は男の子の肩にコテッと寄りかかる。
ほう。なるほど。
これならおじさんに迷惑をかけることもないね。
そう納得して広告へと視線を移そうとした時、
「・・・寄り掛かるならこっちだろうが。」
ボソッと呟いたその声はあまりに小さくて、聞こえづらかったけど。
・・・もしかして不機嫌じゃなくて、ヤキモチ?
ふてくされてただけ?
お陰さまで、目的の駅を乗り過ごすことはありませんでした。
END