恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
7月の人事異動で、私よりも5歳年下の男の子がうちの課に配属になった。

「大阪支社から来た佐々木瑞希(ささきみずき)です。

よろしくお願いします」

背の高い、体格のいい青年だった。


「佐々木君は期待の中堅といったところかな。

まだ、ここで転勤は3回目だから、慣れないこともあると思うので、

みんな色々と教えてやってほしい。

相良(さがら)、とりあえず慣れるまでの面倒をよろしく頼む」

私の上司にもあたる白石課長が私にそういった。

「はい。わかりました課長。佐々木君よろしくね」

そう言って彼に手を差し出し握手する。

「よろしくお願いします」

固い手だったが、優しく握り返される。

触れた手のひらから、緊張が伝わってきた。
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