恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
私はコンビニまでの道のりを歩いて行った。

いつもたまにこんな感じで夜中にふらっと出かけるときはあった。

店の前まで来ると、いらいらと煙草を吸っている男がいた。

気にはなったが、私はそのまま店に入り、冬限定のチョコレートと
甘いカクテルを買い、店を出た。

ドアを開けると、さっきの男がこちらに近づいてきた。

「こんばんは」

「こんばんは。どうしたの?」

私は動揺を隠せず思わずそう言ってしまった。

夜半の離婚するという話以来、彼とは会ってもいなかったし、
メールのやり取りもなかった。

今日くらい家族のもとに帰っていてもおかしくないだろうに
こんな真夜中にどうしたんだろう。


「こんなところで何してるの?どうしたの?」


「あははは。こんな寒空の中、お前をずっと待っていたなんて
言ったら、ウザったいよな…
うそだよ」










あの人は今の言葉を冗談に仕立てようとするかのように、
片方の眉を上げ乾いた声で笑った。
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