恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
そして、顎をしゃくって

「よかったら送るよ。車乗って」

と言う。家は知らないはずだけど…どうしようと思いながらも
断るのも悪い気がして

「うん」

と返事をした。私はある大きな会社の建物までと頼んだ。
それは家から一番近い幹線道沿いにある。

そばで降ろしてもらえばいい…
そのくらいにの軽い気持ちだった。



2人とも車に乗り込む。
車にエンジンをかけコンビニの明かりから離れていく。



「どうしたの?もう引っ越し準備もすんで、
あとはあいさつ回りの仕上げくらいでしょ?
今頃こんなところでそれも一人でうろついてるなんて。」

「ああ。一通りの事は終わったよ。
今はもう家も引き払って…」

それきり沈黙してしまう。



何も言わない二人。車内にはボサノバの曲が静かに流れていた。


あの人は、車を幹線道からわき道にそらした。

「なんで?道違うよ」

私はあの人に訴えたが、無視されてしまう。

そしてあたりの景色を見ると、それはラブホテルの入り口だった。

右折して中に入る。私は青ざめた。
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