恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
あの人は、とめどなくあふれる大粒の涙を私の上にこぼした。

それを拭うことなく先をつづける。


「あれから考えたんだ。彼女とは別れたあの時にとっくに終わってたんだよ。

彼女に似たひなを見つけたとき、今度こそチャンスがあればと
不埒にも思った。
そして、それは本当に思いもよらない形で巡ってきた。
運命だと思ったよ。今度こそ間違えないって…

でも、俺のお前に対する扱いはひどいものだったよな。
あの時はああする以外なかったし、そうまでしても絶対に
手放したくなかった。

お前は身代わりなんかじゃない。お前の全てが欲しい。
お前がいい。おまえしかいないんだ」

瞳が鋭くなり、あの人は私のコートのジッパーを勢いよくおろし、
その下にある部屋着のボタンを乱暴にはずし始める。


「いや!」

私は胸元を抑え抵抗したが、彼はいとも簡単に私の両手を頭の上に
片手で縫い付け、もう片方の手でボタンを引きちぎると、透き通るような肌が露わになる。


彼の唇は弧を描いて歪み、片方の眉が上がったと思った瞬間、
私の柔らかい中心に顔をうずめた。


私の肌の全てを奪うように口づけ食い尽くす様に唇が浸食する。
しかし、突然彼の唇がはたと止まり、ゆっくりと柔肌から距離をおく。

鋭く光る目を細めて、彼は何かを睨んでいるように見えた。

「お前は俺のものだ。今までも、今も、これからも…」


「もう誰にもやらない…」
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