恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
「白石が気に入らんかったらこっちに来たらいいからな」
ひょっこりうちの部屋をのぞきに来たこの人は隣の遠藤課長。
「白石課長に使い物にならないと言われたら、
よかったら拾ってやってください」
と頭を下げる。
「おぉ――、従順でいいなぁ――
どこかの誰かさんの昔とはずいぶんちがう。なんなら今からでも来るか?
相変わらずこっちも人手足らんし」
「おい。うちの課配属なんだから勝手に持って行くなよ」
「はいはい。わかりやんした。じゃ、またな。白石。佐々木君」
白石課長と遠藤課長の入社は同期で遠藤課長の方が年齢は1歳下。
しかし、課長になったのは遠藤課長の方が1年早い。
会社の中でも二人は1、2位を争う出世頭だった。
ここ数年、男女にかかわらず転勤族の面倒は私が見てきた。
だから、いつものことであって、別段変わらない日常。
ただ彼は、男社会だったこの会社で、女性が同僚でも
嫌そうな顔はせず、年上の私をたててくれた。
ひょっこりうちの部屋をのぞきに来たこの人は隣の遠藤課長。
「白石課長に使い物にならないと言われたら、
よかったら拾ってやってください」
と頭を下げる。
「おぉ――、従順でいいなぁ――
どこかの誰かさんの昔とはずいぶんちがう。なんなら今からでも来るか?
相変わらずこっちも人手足らんし」
「おい。うちの課配属なんだから勝手に持って行くなよ」
「はいはい。わかりやんした。じゃ、またな。白石。佐々木君」
白石課長と遠藤課長の入社は同期で遠藤課長の方が年齢は1歳下。
しかし、課長になったのは遠藤課長の方が1年早い。
会社の中でも二人は1、2位を争う出世頭だった。
ここ数年、男女にかかわらず転勤族の面倒は私が見てきた。
だから、いつものことであって、別段変わらない日常。
ただ彼は、男社会だったこの会社で、女性が同僚でも
嫌そうな顔はせず、年上の私をたててくれた。