恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
「みずき君…」


感情が残っていたのかもしれないけど…
でもそれは彼に出会い今のような関係になるまでの事だったはず?

私は自分の心が、躰がわからなくなった。

やっぱり、あんな女に成り下がった私が…
幸せになれるはずがない。

暴力に…恐喝に…
怯えないで暮らせるだけで。
あの人がくれたお金のおかげで、
少しの贅沢ができるだけで満足すればよかった。

彼を受け入れるんじゃなかった。どうせ、さらけ出せるわけない。
何もかも彼に話して、縋れるわけもない。

今でも彼が、突然「こんな女は…」と拒絶するんじゃないかって
びくびくしている。

天井を眺めながら自分の身体を強く抱き締める。
私には男という生き物を信じることは…
できないのだから。




あんなに大切にしてくれたのに私は…
結局裏切った。
それが自分の以前の悪行の末の結果だったとしても…


昨夜の記憶はぼやっとあったが、詳しく思い出したくない。




でも日はあけ、朝はまた来る。










昨日の事なんてなかったことになればいいのに。








夜なんて明けなければいいのに。










このまま何もかも消えてしまえばいいのに。




私自身も無くなればいいのに…
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