恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
泊まっていくかもしれない…
彼が戻ってくるというメールをくれたとき
私はまずそれを思って怯えた。

私の躰の真ん中で秘かに主張するような花弁はまだ消えてなかった。
それは、あの人が私に無言の権利の主張をしている。
そして、彼にも暴露するのだろう。私の悪行の末の全ての事を…

私はこんな女。彼にふさわしくない。

一時期は快楽に…
衝動に溺れた。
自分が悪い女を演じていることに…
酔っていた。

でもそれは長くは続くものではない。
あの人より彼に早く出会っていれば、私の未来はもっと違ったのだろうか?

もう終わったこと。
そして終わらせるべきこと。



私は誰のもの?

彼のもの?

あの人のもの?

いえ、誰のものでもない。私は、わたしのもの。


そう、私はわたしだけのものだ。


誰にも媚びない。なびかない。誰にもすがらないし、頼らない。
私は心から誰も愛せないし、愛してもらう権利ももうない。


どうやったら、以前のように静かな生活に戻れるだろう?
どうやったら彼とうまく距離を取ることができるだろう?


ご飯を食べて帰る彼を玄関まで見送り、
その背中を見ながら体温が下がっていくのを感じた。
< 112 / 195 >

この作品をシェア

pagetop