恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
「どうぞ」
私はデスクチェアーに座り、あらかじめ用意しておいた床の座布団を指差した。
今日は彼との距離を取って話したい。
ベッドとデスクチェアーではあまりにも近すぎる。
彼は座布団には座らず、その横にうつむいて正座した。
「どうぞ。寒いし、床は痛いよ」
私は、彼の不可解な行動に疑問を持ちながら、再度勧める。
しかし、彼はそこから動こうとはしなかった。
お互いに、何を話したいのか、どうやって話し始めたらいいのか
わからず、
ただ黙るだけだった。
やがて、顔を上げて彼が悲しそうに口を開く。
「実は…」
途中で言葉が継げなくなった。そして少しして、もう一度口を開いた。
「実は…。この前里帰りを早くしたのは、母にクリスマスに
一緒にいたいって懇願されたからだったんだけど。
一緒にいたのは母ではなく見合い相手だったんだ」
「そう」
「そして、仕方がなく見合いはしたんだけど…
もちろん断った」
「それなら、別に私に話す必要はないんじゃないの?」
「そうなんだが、見合いを断る理由として両親に、いずれは
結婚したい人がいるって話をした…」
「そうなの」
彼の顔を見ていると私にはそのあとの言葉が予想できた。
私はデスクチェアーに座り、あらかじめ用意しておいた床の座布団を指差した。
今日は彼との距離を取って話したい。
ベッドとデスクチェアーではあまりにも近すぎる。
彼は座布団には座らず、その横にうつむいて正座した。
「どうぞ。寒いし、床は痛いよ」
私は、彼の不可解な行動に疑問を持ちながら、再度勧める。
しかし、彼はそこから動こうとはしなかった。
お互いに、何を話したいのか、どうやって話し始めたらいいのか
わからず、
ただ黙るだけだった。
やがて、顔を上げて彼が悲しそうに口を開く。
「実は…」
途中で言葉が継げなくなった。そして少しして、もう一度口を開いた。
「実は…。この前里帰りを早くしたのは、母にクリスマスに
一緒にいたいって懇願されたからだったんだけど。
一緒にいたのは母ではなく見合い相手だったんだ」
「そう」
「そして、仕方がなく見合いはしたんだけど…
もちろん断った」
「それなら、別に私に話す必要はないんじゃないの?」
「そうなんだが、見合いを断る理由として両親に、いずれは
結婚したい人がいるって話をした…」
「そうなの」
彼の顔を見ていると私にはそのあとの言葉が予想できた。